はじめに
脱毛していることやウィッグをしていることを、誰に・どんなタイミングで伝えるべきか迷うことはありませんか? その悩む時間自体が、また辛いものですよね。
今日は私の実体験をもとに、「誰に伝えるか」「いつ伝えるか」について考えてみましょう。このテーマはなかなか人に相談しづらいもの。だからこそ、一人で悩んでいるあなたにとって、少しでも参考になれば嬉しいです。
脱毛症やウィッグのこと、伝えるべき?
「こうするべき」はない! 伝えるかどうかは自分次第
脱毛症であることやウィッグを着用していることを伝えるかどうかは、あなたの自由です。伝えたほうが理解を得られたり気持ちが楽になるなら話せばいいし、逆に義務感で言いたくないのに無理に伝える必要はありません。
↓の記事では、私のウィッグとの向き合い方も共有しています。
【ウィッグのお悩み4つを解決】ウィッグはカラコン感覚で楽しもう
また、脱毛症とウィッグの両方を必ず話す必要はありません。たとえば、「事情があってウィッグをつけています」とだけ伝えるのもOKですし、「何年も前から脱毛症に悩んでいてね…」とだけ打ち明けるのもアリです。
【実体験】脱毛症やウィッグのこと、誰にいつ伝えた?
家族やパートナーに話したタイミングは?
両親
まずは私の両親から。学生時代、円形脱毛症の発症に気づいたのは親でした。そのため、私から伝えるというよりも、自然と一緒に悩み、支えてくれる流れになりました。今でも一緒にこの病気に向き合う私と伴走してくれています。
彼氏(現在の夫)
夫には、円形脱毛症のことやウィッグのことを付き合って1か月ほど経った頃に伝えました。その時は発毛しており、ウィッグもしていなかったのですが、再発を繰り返していて、おそらく長い付き合いになる病気であることを知らせました。
彼の反応は、「どんな私でも受け入れるよ」という、とても優しいものでした。また、夫は楽観的な性格だからか、私のことを「かわいそう」と見ることは全くありません。脱毛部から短い毛が生えたりして私が長さの違いを気にしていると、「生えてきた毛かわいいね」と明るく振舞ってくれているのがとても救われます。
友人にはどんなきっかけで話した?
友人
友人に関しては一番悩んだところですが、「話したいと思うタイミングがあったり、話す事情があった友人」に伝えています。
仲の良さで「言う・言わない」を決めることはしていません。そうすると、「この人には言ったのに、あの人には言えていない…」と、かえって自分自身が苦しくなってしまったからです。Aちゃんには言ったのに、Bちゃんには言えてない…Bちゃんごめんねと申し訳なくなりとても気が疲れてしまったことがあります。
なので、とても仲が良くて気の置けない友人でもタイミングがなく言っていない友人もいます。
反応としては人それぞれです。そうなんだ!と明るく受け止めてくれるパターンと、心配してくれてしっとり受け止めてくれるパターンと、伝えてくれてありがとうと言ってくれるパターンなど様々です。どのパターンでもその人なりの気持ちや気遣いをしてくれるのを感じとても嬉しいです。
伝えるタイミングは基本的に、1対1で会っていて、「話したいな」と思ったときです。私は話した後にしーんとするのが怖くて、静かな場所よりほかの話題にすぐ移れる場面(ショッピング中など)で話すことが多いです。
職場での対応は?
職場全般
職場の方々には脱毛症のことも、ウィッグのことも話していません。理由は働く上で支障がないため、会社の人が知る必要もないこと。そして私が言いたくないからです。
私の仕事はデスクワークで在宅勤務も可能なため、ウィッグを着けていることで業務に支障はありません。そのため相談する必要を感じていないです。もしオフィスへの出社が多い職場にいたとしたら、精神的につらい状況になったりしたら事情を伝えて在宅ワークを可能にしてもらう相談をする為に伝えると思います。
そして、私が言いたくないのは、円形脱毛症=ストレス耐性がないという偏見があるかもしれないと危惧しているからです。原因はストレスとは言い切れないのに、「ストレスではげるわ~」という言葉はよく耳にします。私の働いている業界はタフなメンタルを持った猛者たちがいるので(笑)、会社の人の価値観をすべて理解できない状況下でリスクを取りたくないと考え今のところは、伝えていないです。ただ状況次第で伝えたい、伝える必要がある場合は伝えるつもりです。
仲の良い同期
例外として、仲の良い同期数人には「友人として」伝えています。それでも社内に知ってくれている人がいるのはとても安心です。本当はもう少し多くの会社の人にも伝えられたら楽なんだろうなと想像もしますが、社会人歴も浅いので、まだ様子見とすることにしています。
例外的なケース
脱毛症のこともウィッグのことも話してはいないのですが、関連することで会社に相談をしたことはあります。泊まり込みの研修があり、それが大人数の相部屋だったことです。
これは参加したくない・・と思い、研修担当者に「持病の事情があり、大人数での泊りは難しい状況のため、近くのホテルで泊まっても良いか」と聞きました。担当者からは宿泊は必須ではない為大丈夫です、と理解を得ることができました。それ以上事情も聴かれることなく対応いただいてとても安心しました。
学校の先生にはどうした?
高校時代の先生
円形脱毛症を発症した時は高校生でしたが、担任の先生には伝えませんでした。髪を結んで隠せていたので特に困ったことがなかったというのもありますが、担任の先生とあまり相性が良くなかったので、言いたくなかったというのが正直なところです。
習い事(茶道)の先生
茶道の先生にはウィッグをしていることを入門前に伝えています。
詳しくは↓にてご覧ください!
自分らしさを髪で諦めないで
他の生徒さんができること(髪を結ぶ、留める)ことが難しい状況だったのでそれでもよいか聞き、「いいですよ」と言っていただきました。
でも円形脱毛症であることは話していないです。「事情があってウィッグをしていて」と濁すことでむっとするひとや詮索してくる人には今まで出会ったことがありません。
【考え方】脱毛症やウィッグを伝えるかどうか迷ったら
大前提「伝えなければならない」は思い込み。あなたが決めていい
伝えるか迷ったときに大前提として1番思い出していただきたいのは、「身近な人には伝えなければならない」は思い込みだということです。言うのも言わないのもあなたの自由です。この前提に立ったうえで次の2つについて考えてみてください。
①伝えることで得られること・気になることを整理する
伝えるかどうか迷ったとき、自分の気持ちを整理するのが大切です。こんな視点で考えてみると、「伝えなきゃいけない」という義務感ではなく、自分が納得できる選択がしやすくなります。下の質問はあくまで一例なので、ご自身の価値観に合わせてアレンジしてみてください。
伝えることで得られること
- その人に伝えたいという気持ちが自分の中にあるか
- 伝えることで、不安や困りごとが軽くなったり、サポートを得やすくなったりするか
伝えることに対して気になること
- その人に伝えることに、なんとなく不安や引っかかる気持ちはないか
- 今このタイミングで伝えることが苦しくないか
- (仕事など関係性をコントロールできない人の場合)伝えたことで自分への接し方や評価が変わる可能性はあるか
②可能なら伝えるタイミングや伝え方を考える
伝えると決めた時、可能なら伝えるタイミングや伝え方も考えておけると自分自身の心の準備ができて安心です。
伝えるタイミングと伝え方については、私は伝える必要性があるとき(受動的)な場合と、伝えたい(積極的)な場合で分けています。
伝える必要があるとき
- タイミング:できるだけ早く、特別対応をお願いするなら早いほうがよい。
- 伝え方:伝える情報は最小限に事務的に伝える。
伝えたいとき
- タイミング:近い話題の話(ヘアスタイル)をしているときや悩み事を話したり聞いたりしているとき
- 伝え方:特に気にしていない、その友人の聞いてくれる温度感に合わせる。
ただ伝えるタイミングについて1つ心掛けていることがあります。相手に申し訳ない気持ちにさせないタイミングを選ぶことです。例えば温泉旅行などのお誘いを受けた時に、断る理由としてウィッグや脱毛症のことを初めて打ち明けると相手は少し申し訳ない気持ちになります。(私も同じ立場だったら聞いてごめんねって思うと思います。)だからどうしても伝えないといけない場合は、一度他のことを理由にして断って後日打ち明けるとか、説明が必要になりそうな予感がしたら早めに話題を切り替えています。
学校に相談すべきだった? 私の選択と今思うこと
本当は今回お伝えできたらよかったのですが、私自身もはっきりとした答えを持っていないのが、学校の先生に伝えるかどうかについてです。私は伝えないという選択をしましたが、後ろの席にしてもらったり、水泳やマラソンなど体育の授業で少し配慮をお願いできていたら、もっと気持ちが楽だったかもしれません。
もし、これを読んでいる方の中で、ご自身やお子さまが学校に相談された経験があれば、ぜひお話を聞かせていただけたら嬉しいです。ご連絡お待ちしております。
おわりに
私もたくさん悩み、後悔を重ねたからこそ、「今の自分はこうしたい」というポリシーが生まれました。だから、最初からこの考え方を持っていたわけではありません。だから今どうすればいいか分からなくて不安だとしても、安心してください。いつか、あなた自身の「今の自分はこうしたい」という向き合い方が作られていくはずです。私の実体験や方針が少しでも参考になったり考えるきっかけになればとても嬉しいです。
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