はじめに:ウィッグ生活がつらいと感じるあなたへ
脱毛症と向き合っていると遅かれ早かれその生活に慣れてきます。
ですが、ふとした瞬間人と比べて落ち込んでしまうことはありませんか?私はよくあります。慣れているはずなのに、ふとした瞬間に無意識のうちに人と比べて沈んでしまいます。
その感情は私を突き落とすようにやってくることもあれば、じわじわと無力感など他の感情を連れてやってくることもあります。
でも心配しないで、落ち込んだって大丈夫。
私が脱毛症になってから人と比べて落ち込むときとして2パターンあります。今日はそのパターンと私の処方箋(対処法)をお伝えします。
つたえたいこと:あなたなりのウィッグ生活の向き合い方がみつかる
落ち込んでも大丈夫、きっとあなた自身の処方箋がみつかるはず
ウィッグ生活で落ち込む①「私にもできたら」と羨ましくて
①のケース:ウィッグ生活では手に入らないものを見て
1つ目のつらく落ち込んでしまうパターンは、自分にないものやできないことを、他の人が当たり前にそれを手にして気にもしていないとき。
例えば外にいる時、トレーニングウェアにサラサラな髪を高い位置で結んだ方の後姿をみると、「ああ、いいなあ。私もポニーテールして汗かくくらい走りたい」と思います。ふと髪を耳にかけるしぐさをみると、「もみあげに健康な髪が生えることの幸せをこの人たちは感じることもないんだ」と悲しくなります。
つけているウィッグにもよりますが、髪をかき上げてポニーテールすることはできないですし、風を切って思い切り走ることもウィッグ姿ではできません。もみあげが脱毛しているときやフルウィッグの着用時はもみあげはない or 出せないのです(泣)
大きなことでなくても、ほんの日常にあることが自分が脱毛症であることを気づかせてくるのです。
「私にもできたら」って思うことはたくさんあります。脱毛症のことを打ち明けている友人には「いやあ温泉とか行きづらくてさ」とかは言えるのですがこういうささいなことってなんか細かな悩みというかリアルな感情すぎて人には言えない。だから「ああいいなあ。私にもできたらな」がたくさんたまっていくのです。
①の処方箋:ウィッグ生活でも自分一番のおしゃれをする
この感情に効くのは「とびきりおしゃれをして街に出る」です。念入りにメイクし、アイラインもしっかり引いて、地毛もウィッグも丁寧にブローして、女友達とディナーにいくような服装で外に出ます。いわば自分の戦闘力を上げる、です。
羨ましいと思った人と同じことはできなくても、自分が最高の自分になって肩に風を切って羨ましがられればいいんです。実際にだれかが羨ましいって思ってくれてるかは分かりませんが、関係ないです(笑)
自分の為におしゃれをするってなんか自信がみなぎってきます。
ウィッグ生活で落ち込む②「自分にはできない」と自信をなくして
②のケース:脱毛生活でも前向きに頑張る人と自分を比べて
もう1つのつらく落ち込んでしまうパターンは、私と同じような境遇(もしくはさらに大変かも)なのに前向きに活動しているひとと自分を比べてしまったとき。
よく母は脱毛症と向き合う私をみて「あなたは強い子ね」と言ってくれます。私も脱毛症の発症と治癒、そして再発を繰り返す中で向き合い方も少しずつ分かってきて「強くなったな、というか慣れてきたな、私」と思います。
自分なりに脱毛症を受け入れられているなと思っているのですが、時々SNSやテレビなどで脱毛症を公表したり、スキンヘッドで凛々しく写真に写る方をみると、たくさんの尊敬の意と共に、「私にはできない、私にはなんだか怖くて勇気がでない。自信がない。」と、自分を他の人と比べて評価して落ち込んでしまいます。
昔、他の病気の方でしたが、「病気になったことを今思えば感謝してる」と言ってポジティブに捉えている方のインタビューを見たことがあります。今の私はそのように全然思えません。この病気になって学んだこと、強くなったことはたくさんあるけど、今でも病気にならなくて済むならそれを全力で望みます。そんな自分に私は病気を受け入れられてないなと落ち込むことがあります。
落ち込みパターン②の処方箋:ウィッグをする自分もニュートラルに受け入れる
この感情に対しては、即効性はないのですが「ニュートラルに捉える」意識を癖づけて自分を受け入れ、「ウィッグ生活がつらい」という感情のもやを落ち着けていきます。
私はこの病気をポジティブに捉えることはできません。だから、脱毛症になってよかったとか、わるかったとか、そういうことは思わないようにしています。
事実として脱毛症と向き合ってる自分がここにいるだけです。病気を受け入れる・受け入れないではなく、病気を一緒に共存する自分の状態が今、うまくやれているのか・苦しんでいるのか、それだけだと思ってます。どれだけすごい人がいてもその人がつよいとか、私が弱いとか、そういう話ではない、その人にはその人の人生が、私には私の人生があり、つらいことも幸せなことも楽しいことも全部は見えません。
おわりに:今はつらくても大丈夫、自分の処方箋が見つかるから
脱毛症になって落ち込んでしまうひととき、人それぞれたくさんあると思います。そして悩む時間は、その何倍もあると思います。私もつらくなってしまうことがたくさんありました。でも落ち込むことは悪い事じゃない。落ち込んで、落ち込んで、それで徐々に自分のペースを保つ処方箋が見つかっていくと思います。
だから自分の気持ちにふたをしないで。泣きたいときは思いっきり泣けばいいし、一人になりたかったら布団の中にこもってもいい。
そして「どうせ私は」なんて絶対言わないで。出来ないことはある、でも私だからできることもある。そんな風に乗り越えられる瞬間がきますように。
コメント